世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

「サラメシ」に映ってしまった

18日に放送された「サラメシ」、開始4分くらい、成田空港でのお見送りシーンで私が映ってました。びっくり。

取材していたカメラマンのジャケットに「サラメシ」のステッカーがあったのです。気になっていたのですが、あれから7ヶ月、ここで日の目を見るとは。

 

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NHKのスタッフが、たまたま「サラメシ」のジャンバーを着てるのだと思ってました

 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

昭和基地の食堂の雰囲気、つい大盛りにしてしまう金曜カレー、たくさんある(ように見える、で、どんどん減っていく)冷蔵庫のビールなど、懐かしい思い出です。(でも、シェフは普段はあんな白衣でキメてないとおもう。たぶん。)

食事を知らせるサイレンの音を聞くと、職場から食堂への帰路を思い出します。ブリザードのあと、雪がスピーカーに詰まって鳴らなくなる、なんてのは自分でも経験しました。そして、一緒に南極に行った隊員のコメントを聞いて「あのおっさん変わっとらんなあ」と爆笑して・・・。

 これまでに見た、昭和基地を紹介するTV番組の中では 一番おもしろいと思います。

 再放送は 20日(木)午後0時20分から と23日(日) 午前8時25分から、です。見損ねた人には強くお薦めしますよ。

南極・昭和基地のランチがNHKに

今週の金曜日は夏至、南半球では冬至です。日の昇らない昭和基地ではミッドウィンター・フェスティバルが開催され、板前とシェフのご馳走がいただけるのです。

それに合わせたのかどうか、18日(火)午後7時30分からNHKで放送される「サラメシ」に南極・昭和基地のランチが紹介されるそうです。

www4.nhk.or.jp

調理隊員は存じ上げないのですが、↑のリンク先の写真には57次隊で一緒に南極の1年あまりを過ごした隊員が写っています。どんなふうに出てくるのか、来ないのか、楽しみに録画しましょう。  

 

再放送は 20日(木)午後0時20分から と23日(日) 午前8時25分から、です。

11年ぶりに先代の「しらせ」に乗艦してきました

現在、年に一度日本と南極を往復している砕氷船「しらせ」は二代目です。先代の「しらせ」は2008年3月に日本に帰ってきたのが最後の航海でした。私は第48次日本南極地域観測隊員として、その最後の航海に乗船していました。

役目を終えた先代「しらせ」は、ウェザーニュース社に買われて「SHIRASE」と名を変え、千葉県船橋市で保存されています。年に5回、チャレンジングSHIRASE という公開イベントがあり、6月8日・9日の週末が今年2回目のチャレンジングSHIRASE でした。

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オレンジの船体を見ると懐かしく感じます。

私の所属するNPO法人 富士山測候所を活用する会は2018年の「WNI気象文化大賞」を受賞しており、8日の土曜日、成果報告会が「SHIRASE」士官室で開催されました。そして、富士山環境研究センター特任研究員としての私から成果を報告することになりました。

 

報告会の始まる前に艦橋に行ってきました。

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2005年といえば、この「しらせ」最終航海の2年前です。なぜあえて2005年?

日本の南極行動は、観測隊、海上自衛隊ともに南緯55度を超えると「南極圏に入った」という扱いになるのです。

 

艦橋から正面には護衛艦「あまぎり」が見えます。この日は”マリンフェスタ2019 in船橋”という催しも同時に行われていて、「あまぎり」にも乗船体験ができたようです。

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「しらせ」を動かしていたのも海上自衛隊さんです。

こうしてみると、護衛艦は細いですね。砕氷船は丸っこくないと氷に押しつぶされてしまうのですが。

 成果報告の内容については、NPOのサイトに寄稿しました。 

npofuji3776.blog.jp

 

成果発表は1課題3分、と指定されていたのですが、皆さん訴えたいことが多く時間は押し気味。終了時にはチャレンジングSIRASEの公開時間もほぼ終わっていて、自分の生活していた船内を見て回ることはできませんでした。ちょっと残念ですが、なかば仕事のようなものですから、仕方ないですね。

南極観測隊員OBが海底探査コンテストで優勝!

国際大会で日本のチームが準優勝した、とのニュースがありました。

mainichi.jp

海底の地形を調べて地図を書く競争です。賞金総額がおよそ8億円、2等賞の日本のチームも1億円あまりをゲット!ということで話題になっているようですが、詳しくわかりやすい解説をNHKが出してくれています。

「深海探査レース 最終決戦へ」(くらし☆解説) | くらし☆解説 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室

 

朝日新聞の記事*1には

  • 優勝した国際チームは、14カ国が参加し、海上保安庁職員の住吉昌直さんは測量データの処理を担当していた。

とありました。もしかして、と思って、優勝した"GEBCO-NF Alumni Team"のwebサイトを見ると、やはり見覚えのある顔が、

GEBCO-NF Alumni Team for Shell Ocean Discovery XPRIZE

2015年、57次隊に夏隊員「海底地形調査・潮汐」の担当で参加されていた住吉さんでした。このサイトの写真、観測隊公式ジャンバーを着ているんじゃないかなあ。

 

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昭和基地にある検潮所です。住吉さんは夏の間、ここのメンテナンスもしていました。

 

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冬は無人で、潮の満ち引きを測っています。

 

一緒にしらせに乗って南極に向かった人が、チャンピオンチームの一員になるとは。

おめでとうございます!

*1:朝日新聞はリンクすると報告の必要があるなど厳格なので、この記事では毎日新聞にリンクしています

NHK・ ダーウィンが来た! 「密着!南極生きもの大調査」

5月26日の放送当日に情報を得て、放送開始直前にあわてて録画しました。

第599回「密着!南極生きもの大調査」 ─ ダーウィンが来た! NHK

 

2017年から2018年に昭和基地に行った59次夏隊にはNHKエンタープライズからの参加があったので、その画像に期待していたのですが、まとまったものを見ることができました。 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

昭和基地周辺のいきものといえばペンギン。それに地味だけど大発見のコケボウズを紹介して、というのは想定内でしたが、生物が存在することのない南極大陸の内陸部、ドームふじ基地が出てくるとは思っていなかった。

 

わたしにとっては顔見知りの研究者や隊員が出てきて、楽しかったです。

 

6月1日(土) の午後5時30から再放送の予定があります。ペンギンに背負わせたカメラの画像は、餌の魚を捕まえるシーンなどもあって必見です。が、その前がプロ野球中継が延長されたらなくなっちゃうかも。

www2.nhk.or.jp