「南極で観測隊員として働くために何が必要だと思いますか?」小学生にきいてみた
6月22日の土曜日に、杉並区立沓掛小学校で南極の仕事についてお話しをしてきました。一昨年も「お仕事見本市」(リンク先はpdfファイルです)でお話をしてきました。昨年もお声掛けを頂いたのですが、先約があって伺えませんでした。2年ぶりの参加です。
アナウンサー、警察官、社会保険労務士など13の職業のお話があって、6年生の児童が8人くらいずつ、2つの職業の話を聞くようになっています(講師は2コマ、同じお話をします)。
南極観測隊は人気だったそうで、聞きたかったけどハズレちゃいました、というこどもたちもかなりいたとのこと。当日は土曜日の公開授業でもあり、大人の聴講者もちらほらいらっしゃいました。
事前の配布資料にはこんなクイズを出してみました。越冬隊員30人の内訳です。どんな基準で分けたのでしょうか?(答えはこの記事の最後に)
こどもたちに「南極で観測隊員として働くために何が必要だと思いますか?」
と問いかけてみたところ。
「閉じ込められても大丈夫な精神的な強さ」
「みんなと仲良くできる協調性」
といった答えが多くありました。
私からは、それはもちろん大事だけど、絶対必要なことは
「健康であること」「自分の仕事をキッチリできるプロであること」
と伝えました。
南極観測隊員でいるのは2年くらい、南極にいるのは1年と数ヶ月。"職業"として目指すというものではありません。でも、南極に行っても大丈夫なプロになることを小学校6年生に意識してもらうことができたら、いいな、と思いました。
クイズの答え
その1:年齢構成 4人=20代, 13人=30代, 9人=40代,4人=50代
その2:観測する人=12人,基地を支える人(電気、車両、医療、調理など)=17人
その3:男性と女性
第61次南極地域観測隊員が発表されました
「サラメシ」に映ってしまった
18日に放送された「サラメシ」、開始4分くらい、成田空港でのお見送りシーンで私が映ってました。びっくり。
取材していたカメラマンのジャケットに「サラメシ」のステッカーがあったのです。気になっていたのですが、あれから7ヶ月、ここで日の目を見るとは。
昭和基地の食堂の雰囲気、つい大盛りにしてしまう金曜カレー、たくさんある(ように見える、で、どんどん減っていく)冷蔵庫のビールなど、懐かしい思い出です。(でも、シェフは普段はあんな白衣でキメてないとおもう。たぶん。)
食事を知らせるサイレンの音を聞くと、職場から食堂への帰路を思い出します。ブリザードのあと、雪がスピーカーに詰まって鳴らなくなる、なんてのは自分でも経験しました。そして、一緒に南極に行った隊員のコメントを聞いて「あのおっさん変わっとらんなあ」と爆笑して・・・。
これまでに見た、昭和基地を紹介するTV番組の中では 一番おもしろいと思います。
再放送は 20日(木)午後0時20分から と23日(日) 午前8時25分から、です。見損ねた人には強くお薦めしますよ。
11年ぶりに先代の「しらせ」に乗艦してきました
現在、年に一度日本と南極を往復している砕氷船「しらせ」は二代目です。先代の「しらせ」は2008年3月に日本に帰ってきたのが最後の航海でした。私は第48次日本南極地域観測隊員として、その最後の航海に乗船していました。
役目を終えた先代「しらせ」は、ウェザーニュース社に買われて「SHIRASE」と名を変え、千葉県船橋市で保存されています。年に5回、チャレンジングSHIRASE という公開イベントがあり、6月8日・9日の週末が今年2回目のチャレンジングSHIRASE でした。
私の所属するNPO法人 富士山測候所を活用する会は2018年の「WNI気象文化大賞」を受賞しており、8日の土曜日、成果報告会が「SHIRASE」士官室で開催されました。そして、富士山環境研究センター特任研究員としての私から成果を報告することになりました。
報告会の始まる前に艦橋に行ってきました。
日本の南極行動は、観測隊、海上自衛隊ともに南緯55度を超えると「南極圏に入った」という扱いになるのです。
艦橋から正面には護衛艦「あまぎり」が見えます。この日は”マリンフェスタ2019 in船橋”という催しも同時に行われていて、「あまぎり」にも乗船体験ができたようです。
こうしてみると、護衛艦は細いですね。砕氷船は丸っこくないと氷に押しつぶされてしまうのですが。
成果報告の内容については、NPOのサイトに寄稿しました。
成果発表は1課題3分、と指定されていたのですが、皆さん訴えたいことが多く時間は押し気味。終了時にはチャレンジングSIRASEの公開時間もほぼ終わっていて、自分の生活していた船内を見て回ることはできませんでした。ちょっと残念ですが、なかば仕事のようなものですから、仕方ないですね。