世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

面接へ、そして…

無事に書類選考を通過して、2015年1月16日、極地研究所で面接を受けました。面接する人は10人くらいで、参加予定の隊長・副隊長もいらっしゃいました。

主な質問と答えはこんな感じ
(問)応募動機を簡単に説明してください。
(答)第48次隊に参加して素晴らしい経験ができた。おそらく日本有数の、意欲の高い人たちともう一回仕事をしたい。

(問)年齢的に指導的な立場が求められるが、心構えは?
(答)今の職場でもさまざまな形で若い人と協力して仕事をしている。観測隊だからといって、特別なことは考えなくていいと思う。

(問)家族はどういっているか
(答)妻にも親にも説明済み。妻は、ぜひ行ってこいと背中を押してくれている。今朝は赤飯炊いて送り出してくれた(笑)。

(問)心配なことは
(答)隊員として採用されれば、気象庁を退職するので2年後の職が心配ではあるが、そのほかには、特に心配はしていない。

(問)お酒やタバコなど、嗜好品は前回の越冬とくらべてどうか。
(答)酒量はへっている。タバコは前回と変わらず吸っていない。

(問)そりの合わない人とどうつきあうか
(答)前回、私が経験した隊には、そのような人はいなかった。日常の生活、仕事では、相性の合わない人には、つとめてメールでなくて直接話す、約束・期限を守る、きちんとお礼を言う、といったことを心がけている。

(問)宙空以外の担当になったらどうする。
(答)宙空担当になっても、自分の得意とする地磁気以外の分野では、国内からのサポートを受けることになるでしょう。ほかの担当であっても同じように、国内の専門家と連絡をとりながら、仕事を進めていけると思う。

(問)工事や設備の管理など、宙空の仕事のサポートもお願いすることになるが。
(答)もちろんです。できる範囲でせいいっぱい貢献していきたい。

(問)前回の越冬経験から、次の参加でやっておきたいことはあるか。
(答)前回の越冬隊参加から10年近くがたち、状況は大きく変わっていると思う。現状が把握できていないので、とくに思い浮かぶことはない。

 こうしたやり取りを経て帰宅。後日「一般研究観測隊員として採用したい」との連絡をいただきました。これで晴れて隊員候補者になれました。