世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

南極大陸のかき氷

7日はまたまたヘリコプターに乗って、南極大陸にあるH68観測点へ行ってきました。大みそかに行ったスカーレン、1月4日に行ったインホブデは南極大陸の海辺にあるのですが、H68は海岸から40kmあまり内陸に位置します。大ざっぱに言えば、極地研究所のある立川市くらい海から離れている感じでしょうか? 標高は1200mくらいです。

仕事はスカーレン、インホブデと同じく、無人磁力計のメンテナンスです。雪原に立つ旗の下に磁力計が埋まっています。

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磁力計を掘り出す前に、まずテントを張ります。南極大陸の内陸部での作業では、休憩場所・天候悪化時の逃げ場所を確保するのが最初の仕事です。

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日帰りの計画ですが、5日分の非常食と燃料を持参しました。

磁力計を掘り出して作業開始。3回目のメンテナンスでだいぶ手馴れてきて、順調に再起動までこぎつけました。

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さて、お迎えヘリコプター待ちの時間ですが、どちらに行っても白一色の平原なので散策しても景色は変わらないです。例年、かき氷を食べるとのことでしたので、今年はシロップではなく練乳とゆであずきを持ってきました。氷はもちろん大陸に降り積もったサラサラの雪。

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マイナス10度、風速9メートルの南極大陸で食すミルク金時。すぐにこめかみがキーンと痛くなりますが、とってもおいしかったです。