世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

無人オーロラ観測装置設置、ですが・・・

今回の観測隊で観測を始める、無人オーロラ観測装置を昭和基地内に設置しました。

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昨年8月、日本の夏の暑い盛りに設置訓練と試験観測をしたものです。 

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インホブデの磁力計のように、発電機などの電気を使わずに無人で観測するために作られたものです。観測データは衛星電話システムを使って国内に送られます。

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 一年間、昭和基地内でテストして、調子が良ければ人里離れたところに移設する計画があります。来年、ぼくらが昭和基地からの帰りにやるのかなあ。

磁力計にくわえてオーロラを観測するカメラを備えるので、太陽電池とバッテリーだけでは電気が足りません。これを補うために風力発電を3機、起こしました。

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21日から23日まで3日間で、レギュラー3人プラスお手伝い2・3人でシステムを組み上げました。天候に恵まれて順調に作業できたなあ、と喜んでシステムを起動しましたが、国内へのデータ伝送がうまくいかないとのこと。そりゃ、初めて設置する装置で、スイッチを入れてそのままOK、なんてことを期待してはいかんのですが…これから国内と連絡を取りながら、いろいろと調整することになりそうです。

 

【追記】24日、国内からの指示にしたがって設定変更をしたら、データ受信が始まったようです。まだまだ油断はできませんが、とりあえず機械の故障ではない、ということで一安心。