風を向かない風車
2月の昭和基地は風が強い日が多かったです。3月1日も午前中は風速20メートル、午後は少し落ちて15メートルくらいになりました。
3月1日午後の、風力発電の風車です。無人オーロラ観測装置に電気を送っているのですが、ちょっと不思議じゃありませんか?
・左の風車の羽は6枚見えるのに、右奥の風車の羽は写っていない。
・よく見ると、二つの風車の向きが違う。
この風車は、風が強すぎるときには尾翼が折れまがって、風に対して横向きになります。すると、羽はゆっくりまわるようになります。
強風をまともに受けて風車が高速で回ると、発電機が焼き付いてしまいます。故障を避けるために、発電をあきらめて風車を守るようにできています。
左の風車のほうがちょっと高いところにあって、風当たりが強いのです。この写真を撮った時は、左の風車はそっぽを向いてゆっくり回り、右の風車は「まだだいじょうぶ」と風に向かって勢いよく回っていたのでした。