世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

古いレンズを新しいカメラに・その2

27日の夜はひさしぶりに星が見えました。

午後7時前には月が昇ってくるので、早い時間に外に出てみました。これは午後7時半ごろの西の空。

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南半球ではオリオン座はさかさまになって沈んでいきます。気象棟のむこうに頭をいれたような形です。

 

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使ってみたレンズは、前に紹介したものよりもちょっと広い範囲が写ります。みなみじゅうじとケンタウルス座。

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2つ、人工衛星の光跡が写っています。f:id:nankyoku_30nin:20160428140110j:plain

 南極、北極の上空を通る人工衛星はとてもたくさんあります。衛星が地球を南北にまわる(たてに回る)あいだに、地球が自転する(よこに回る)ので、時間をかければ地球上の全部を観測できるようになるのです。ここでは2秒間、カメラを空に向けただけですが、光跡が写真に入ってきました。 

 

以下、趣味人の方のために、

使ったレンズはNikkor 35mm f/1.4。フルサイズで52mm相当です。

絞りは2に設定して、固定撮影で露出時間は2秒。ISO6400で撮影。月が出てきていてあまり露出をかけられませんでした。

前に紹介した50mmf1.2のほうが写りはいいですね。保管条件にもよるので、レンズ特性だけのせいではないかもしれませんが、原盤で見ると星像の歪みも大きいし、色収差も目立ちます。

 

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