世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

切実に「植物大好き」

昭和基地の農園、「オングルファーム」は続々と新鮮野菜を出荷してくれています。

青じそのかおりと緑色の葉に癒やされます。

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環境保全のため、南極地域に土を持ち込むことはできません、農業用のフィルムなどに種をまいて、培養液を循環させて育てています。土がないので、いも類やだいこん、にんじんなどの根菜類は無理ですが、葉っぱものは元気に育っています。もちろん、害虫の心配はないです。

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国内でクウシンサイを栽培した時にはたくさん採れすぎてちょっとこまったものですが、今はとっても楽しみです。

 

国内にいるときには「南極で無理に生野菜を作らなくても」なんて思っていましたが、食卓の彩りがあると嬉しいものです。

プチトマトの葉が伸びてきています。30人で分け合えるほど実ってくれるでしょうか。

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5月17日の日の出は午前10時21分、日の入りは午後2時14分です。このところお天気が悪いので、昼間もずっと薄暗いです。基地の建物内の照明は、節電のため控えめなところが多いのですが、農園の部屋の中はとても明るくなっています。

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この明るさとみどりを求めて、とくに用事はなくても、この部屋をふらりと訪れる隊員は多いのです。

 

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(オングルファーム は基地のある東オングル島にちなむ命名です。)

 

今週のお題「植物大好き」