南極大陸の旅・観測の仕事
南極に出かけていくのは、そこでしか見えないものを観測することが大きな目的の一つです。昭和基地から大陸の内陸部に雪上車を連ねて行くのも同じで、研究のための仕事をいろいろと頼まれていました。
これは、雪原に立てた旗の高さから、雪の積もった量を測っているところです。3年前の旗が足元に小さく見えています。新しい赤旗を立てましたが、3年間でこれくらい雪で埋もれてしまった、ということになります。
約2キロメートルごとに旗の高さを測って、10キロメートルごとに雪を取ってきます。これは日本に持ち帰って分析されるそうです。
下の写真は、地磁気の無人観測装置を掘り出しているところです。手前の太陽電池を電源にして観測をしています。
マイナス20度を下回る気温の中で、硬い雪を50cmほど掘って、観測システムからデータを回収。バッテリも交換しました。
これは、大陸の氷の動きを見るためのGPS観測装置を回収しているところです。粉雪が舞う中での作業になりました。
「旅をしてきました」と言うと、なんだか遊んできたような響きがありますが、とくにお天気が悪いときは、なかなかしんどい仕事でした。