世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

最後の(?)試練 (代理人更新)

暴風圏の揺れ、イメージしただけで目まいが・・・。

これを抜けたら、文明社会に到着ですよ。

南極観測隊としらせ自衛官以外の人間に逢えますよ。1年以上人里離れたところにいて、都市をみるってどんな気持ちなのでしょう?

街に出るときはお財布を忘れずに。盗まれないように警戒心も必要ですよ。

 

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「しらせ」が北上をしています。船で南極に行くとき、帰るときは、常に強風と高波にさらされている暴風圏を通過します。
絶え間なく進行方向タテヨコにゆらゆらと揺らされ、ときどき"どーん"という鈍い音がして、船ががくんと落ちる感じが味わえます。私は、あまり気分が悪くなったりはしないのですが、食事の後はおなかが落ち着くまでベッドに横になっています。そのままうたた寝してしまうこともありますが、これも船酔いの症状に違いない。
いや、まあ、単にナマケモノであるから、かもしれませんが、ご飯も食べられず部屋で息を潜めている人たちにくらべれば、ありがたいことです。

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この写真は海面から20メートル以上(5階建てのビルくらい)の高さの甲板から撮ったのですが、直後に波しぶきをかぶってメガネが曇って、前が見えなくなりました。

暴風圏を抜けたら、シドニーは目の前です。