TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」第十一話:南極からの中継・ほか
とりあえず女の子は風呂に入れとけ、というのは”ヤマノススメ”でも見たような気がする。"水戸黄門"にも通じるものがありますな。
ともあれ、昭和基地の浴室(掃除中)です。女性用のお風呂はユニットバスなのですが、女性が多いようなのでこちらをつかっているのでしょう。
24時間あたたかい循環風呂ですが、入浴時間は決まっています。節水のため浴槽のお湯の入れ替えは月に一回くらい。水のもとになる雪はたくさんあっても、お風呂に使えるようなきれいな水にする機械の能力が限られているので、節水は大事です。
さて本題、 女子高生たちがやっていた国内への中継ですが、昭和基地には衛星回線でインターネットに繋げるので、テレビ会議システムを使うことができます。
越冬中は「南極教室」といって、隊員が司会、スイッチャー、タイムキーパー、屋外レポーターなどのしごとをして実施します。nankyoku-30nin.hatenablog.com
わたしは2016年6月に、娘が通っている小学校と昭和基地を衛星回線で結んで中継することができました。
彼女らがいる夏の間は、隊員は仕事が忙しいので「南極教室」をやる余裕はありません。でも、夏隊には近年、学校の先生が同行者として参加して、国内向けに「南極授業」をやります。年末から2月くらいまで公募されていますよ。
平成30年(2018年)度 教員南極派遣プログラム 実施要項 │ 国立極地研究所
これに参加すると、11月から翌年3月まで、2学期後半から3学期いっぱい授業できないので、学校の理解をいただくのが大変かもしれません。
南極からの中継で、意外と大変なのは時差。昭和基地は日本よりも6時間遅れです。
たとえば日本で午後2時からのプログラムだと、昭和基地では朝の8時。機材の支度、とくに屋外中継のためには、早朝から作業することになります。
オーロラ観測など越冬隊員の本業とはあまり関係ない仕事で、なんども打ち合わせしたり早起きしたり、それなりに大変な仕事ですが、こんな話をこどものころに聞けたら楽しかったかなあ、という思いもあって、けっこう頑張りましたよ。