空を見上げて
連休明けの7日に、青森で「日暈(ひがさ)」が見えた、というニュースがありました。
南極では、日暈は珍しいものではありません。昭和基地で2回、南極大陸で1回、帰りの船の上で1回、見た記事を書いています。
昭和基地で見た、いちばん見事だったのはこれ。
環天頂アーク、タンジェントアーク、幻日など、いろんな光学現象が見えた日です。青森で見えたという「環水平アーク」は、太陽の下に見えるものなので、南極では太陽高度が足りなくて見えませんでした。
南極大陸で撮った日暈の写真は、極地研究振興会の2018年カレンダーに採用していただきました。
船の上で見たときは、クジラが周囲を泳いでいたので、みんな空にはあまり関心がなかったような。
これらの光学現象は、雲を形成する氷の粒に太陽の光があたって、光の進路が折れ曲がって、作られるものだそうです。
南極は寒いから、低い雲でも雲中は水ではなく氷になっているので、発生しやすいのでしょうか。それと、空を見上げることが多いから、気づきやすいのかもしれません。基地にいたら気づいた人が無線で「日暈(ひがさ)が見えるよ!」と教えてくれますし。
逆に、この日青森市にいても、見逃した人もいるかもしれませんね。
ときどきは、空を見上げてみましょうか。