世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

クリスマスに「しらせ」昭和基地に接岸

12月25日に、「しらせ」が昭和基地に接岸しました。「接岸」とは船が昭和基地のある程度近くまで行って、燃料を基地のタンクまでゴムホースで送れるようになることです。

www.nipr.ac.jp

 

よほどのことがなければ、隊員は昭和基地に着くことができます。でも、「しらせ」が昭和基地の近くまで行けるかどうかは、海氷の状況次第です。今回で6年連続の接岸だそうですが、その前は2012年、2013年と2年連続で接岸できませんでした。

 

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昭和基地に接岸した「しらせ」(2016年12月28日)

「しらせ」の積み荷の半分以上は油です。

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私が参加した57次隊(2015年)で積んでいった荷物の内訳。

接岸できなかったら、燃料をタンクに詰め替えて空輸するなど必死の輸送作戦を繰り広げることになります。それでも運びきれず、越冬用の燃料不足が心配されていました(もちろん、ある程度の予備の燃料は備えてありますが)。そして、輸送で人手とヘリコプターの飛行時間を取られるので、当初予定していた観測計画も一部キャンセルされてしまいます。

今回の接岸で、燃料輸送にはめどが立ちました。まずはめでたい。