世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

11年ぶりに先代の「しらせ」に乗艦してきました

現在、年に一度日本と南極を往復している砕氷船「しらせ」は二代目です。先代の「しらせ」は2008年3月に日本に帰ってきたのが最後の航海でした。私は第48次日本南極地域観測隊員として、その最後の航海に乗船していました。

役目を終えた先代「しらせ」は、ウェザーニュース社に買われて「SHIRASE」と名を変え、千葉県船橋市で保存されています。年に5回、チャレンジングSHIRASE という公開イベントがあり、6月8日・9日の週末が今年2回目のチャレンジングSHIRASE でした。

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オレンジの船体を見ると懐かしく感じます。

私の所属するNPO法人 富士山測候所を活用する会は2018年の「WNI気象文化大賞」を受賞しており、8日の土曜日、成果報告会が「SHIRASE」士官室で開催されました。そして、富士山環境研究センター特任研究員としての私から成果を報告することになりました。

 

報告会の始まる前に艦橋に行ってきました。

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2005年といえば、この「しらせ」最終航海の2年前です。なぜあえて2005年?

日本の南極行動は、観測隊、海上自衛隊ともに南緯55度を超えると「南極圏に入った」という扱いになるのです。

 

艦橋から正面には護衛艦「あまぎり」が見えます。この日は”マリンフェスタ2019 in船橋”という催しも同時に行われていて、「あまぎり」にも乗船体験ができたようです。

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「しらせ」を動かしていたのも海上自衛隊さんです。

こうしてみると、護衛艦は細いですね。砕氷船は丸っこくないと氷に押しつぶされてしまうのですが。

 成果報告の内容については、NPOのサイトに寄稿しました。 

npofuji3776.blog.jp

 

成果発表は1課題3分、と指定されていたのですが、皆さん訴えたいことが多く時間は押し気味。終了時にはチャレンジングSIRASEの公開時間もほぼ終わっていて、自分の生活していた船内を見て回ることはできませんでした。ちょっと残念ですが、なかば仕事のようなものですから、仕方ないですね。