世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

インホブデ・お仕事編 無人磁力計のメンテナンス

1月4日、インホブデというところに日帰りで行ってきました。

インホブデは昭和基地から約140km、東京から静岡くらいの距離にあります。しらせ搭載のヘリコプターの航続距離限界に近いとのことで、荷物の重量など厳格に守るように言われました。

これがインホブデにある磁力計。

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2010年に、第51次隊によって設置されたものですが、このところ調子が悪いので、国内で動作試験済みのシステムを一式持って行って、交換して復旧させてきました。

磁力計のコントロールボックス

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太陽電池、バッテリ、アンテナなどいろんな線がつながれています。

 

ラミネート加工して持って行ったマニュアルを見ながら、ユニットを交換して動作確認しました。(一枚目の写真とは、太陽電池パネルが異なっているのがおわかりでしょうか?)

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無人磁力計は昭和基地を中心とした数箇所に設置されていて、地磁気観測のネットワークを形成しています。大晦日に出かけたスカーレンの仕事も、この磁力計のメンテナンスでした。データは衛星携帯電話で国内に送られて、オーロラが発生したときの上空の電流を広域にわたって調べるなどの研究に利用されます。