世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

賞味期限のはなし

(今日の記事はスマホでご覧の方には見づらいかも)

しらせが横須賀を出航したのが昨年11月16日。ということは、つみこまれた食品は10月ごろ製造のものでしょうか。3ヶ月がすぎて、賞味期限の切れたものが出てきています。これは3週間前に賞味期限が切れたパン。

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日本では賞味期限切れのお肉が問題になってるんでしたっけ? 数ヶ月の超過は、昭和基地では気にしてません。作業中の休憩時間の中間食として、ふつうにいただきます。

夏宿舎のおやつ・お菓子のたぐいは、あたらしいものと入れ替えた元・非常食を頂きます。こちらは支給品ではなく、自己責任で召し上がってくださいね、ということです。
2014年に賞味期限切れのみつ豆缶詰。まだまだ新鮮。美味しくいただけますが、寒天がもろい気がします。

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さらに、野外の観測拠点に非常用に保管されていたものだと、10年モノもあります。2005年と2006年に切れたインスタントコーヒー。1年古くても、高級品のほうが美味です。

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なんでもおいしく頂きます、と言いたいところですが、おかき、おせんべい、など揚げ菓子は油が酸化して駄目です。


このチューインガムは10年ものですが、包み紙から出した時点で割れて、口の中で砂糖菓子のように崩れます。しばらく噛んでいるとガムっぽくなるけど、あっという間に味がなくなります。

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昭和基地の乾燥した気候で水分が抜けきってしまったんでしょう。