世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

なごり雪

6日、ヘリコプターを見送ったあとは風雪が強くなり、22時12分に、57次越冬初の「外出注意令」が出ました。この時点で昭和基地にいる57次越冬隊(28人)、57次夏隊(11人)、56次越冬隊(8人)の合計47人。その全員について、どこにいるかを確認する必要があります。居住棟でも各部屋をノックして声をかけて、7分で全員の確認が取れました。

食堂前には外出注意の看板が出ます。

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発令中は、仕事などで建物の間を移動するときは

・ふたり以上で

・無線機を必ず持って

・出発前とあとに通信室に連絡を入れる

 ことが必要になります。

 すべては、誰も行方不明にならないように、安全のためのきまりです。

注意令の発令直後、居住棟のわたしの部屋から見る景色です。

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今回の荒天では、風は台風なみの強さでしたが、雪は少なかったようです。

翌朝の8時過ぎ、お天気よさそうに見えますが、20メートル以上の風が吹いています。

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7日は休日日課になりました。観測機器のチェックなどは必要ですが、のんびりした一日になりました。この時期、昭和基地の休日はお天気で決まります。