世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

東オングル島内を歩く

3月7日の午後、東オングル島内行動訓練に参加してきました。3班にわかれての全員参加の講習で、今回の参加者は安全主任を入れて11人。危険なところはどこか、野外で行動するときに気を付けることはなにか、などを実際に歩いて学びます。 f:id:nankyoku_30nin:20160308024902j:plain

基地からちょっと離れると、日本の立山連峰を思い出すような風景が広がります。

 

 たとえば、ここは昭和基地のある東オングル島と西オングル島との間にある海峡「中の瀬戸」です。幅は100メートルもありませんが、潮の満ち引きの影響で、凍り付いても割れ目が入りやすく、歩いて渡るときには十分に気をつけないといけないところです。f:id:nankyoku_30nin:20160308024932j:plain

 

地形図の読み方、コンパス、GPSの使い方も練習しました。日本では方位磁石が示す北とほんとうの北との差は角度にして7度くらいですが、昭和基地では50度くらいの差があります。コンパスを実際に使うためには、それなりの知識とコツが要ります。 f:id:nankyoku_30nin:20160308024919j:plain

 

東オングル島の観光名所「胎内岩」.

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ここでおやつを食べました。

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島内を半周して、約4キロメートル、3時間弱の講習でした。気温はマイナス10度くらいでしたが、風は弱くてよいお天気で、気持よく歩けました。