ハナニアラシノタトヘモアルゾ
友人の訃報が入りました。
闘病生活も長く、わたしの帰国後に再会するのは難しいであろうことは、わかっていました。
出発の3日前、昨年11月29日に彼の入院先の病院に焼酎をこっそり持ち込んで、別盃を交わしてきました。
日本にいたからといって、なにができたわけでもないのですが、なにがおこってもその場に駆けつけることのできない境遇であることを、あらためて感じました。
葬儀には家人に行ってもらいました。
告別式の始まる前に、うぐいすの声が聞こえたとか。
昭和基地は風雪強く、外出注意令が出ています。
コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
井伏鱒二「厄除け詩集」所収(底本は于武陵「勧酒」)
日本を出てからこれまで、ひとり酒は控えていましたが、今夜だけは、自室で焼酎を酌んでいます。