ディーゼル発電機の交代
太陽光発電や風力発電などの再生エネルギーも導入されていますが、昭和基地での発電の主力は、軽油で動かすディーゼル発電機です。発電はもちろん、エンジンの熱で雪を溶かして水を作るなど、無くてはならないモノです。
ディーゼルエンジンと発電機は2セットあります。片方が壊れても、もう一方のエンジンと発電機で、交換する部品が届くまで暮らしていけるようにしています。エンジン一つでマイクロバスくらいの大きさがあるでしょうか。
ひとつがずっと動いていて、もうひとつがずっと止まりっぱなしだと、機械の傷みもかたよりますし、もしものときにちゃんと動くかどうか…。というわけで、だいたい月に一回、運転する発電機を交代、「電源切替」があります。
電源切替の時には、担当隊員がチェックリストを読み上げ、手順を確認しながら、切替作業を行って行きます。発電機の制御室には緊張感がみなぎっていました。
スムーズにバトンタッチするためには、発電機の出すパワー=電力量をできるだけ少なくする必要があるそうです。切替の前には、「節電してください」という放送がかかります。住んでいる部屋の暖房ポンプもいったんOFF。冷蔵庫や冷凍庫、コーヒーメーカー、使っていないパソコン、プリンターなども電源OFFにして、切替が終わるのを待ちます。
「電源切替が終わりました」の放送が入ると、基地全体にほっとした雰囲気がひろがるような気がするのは、気のせいでしょうか。