世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

越冬の医療講習

越冬中の夕食は午後6時から。ミーティングが6時45分からで、だいたい7時まえには終わります。

そのあとは、だいたい自由時間になりますが、1時間ほど安全講習の時間が設けられる日もあります。隊員が講師になってお話をきく講習が多いのですが、29日の夜は医療講習の実習でした。人形に心臓マッサージ、人工呼吸、心臓に電気ショックを与えるAEDなど、ドクターの指導のもとで交代でやってみます。

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サムスプリントという副木をつかって、負傷したところを固定する練習。

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しらせの中や、昨年夏の国内訓練での講習の復習も多いのですが、越冬中ならではのものが、保温と搬送。負傷者を毛布と簡易テントでくるんで、さらにプラスチック製の板でくるんで運べるようにします。

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↑ この写真、中に人が入っています。

冬の南極の屋外で歩けない怪我をしたら、こうやって運ぶことになります。

この日は食堂に集まっての講習でしたが、屋外での実習も予定されています。