南極観測隊員はどんなものを持ち歩いているのか
服装のつぎは持ち歩くものについて。まず無線機、トランシーバーです。屋内だろうと屋外だろうとお風呂場以外には常時携帯することになっています。
もちろん緊急時にこれが使えるかどうかは生死を分けますが、ふだんも電話代わりに呼び出したり呼びだされたりします。多くの隊員はストラップにヘッドライトと救急マスクをつけています。ヘッドライトは万一、停電が起こって真っ暗になっても活動できるように。救急マスクは万一の時、ためらわずに口対口人工呼吸ができるように。
屋外に出るときには、リュックサックの中にザイルとレスキューセットを入れて背負います。
ザイルは、急に天気が悪くなっときにライフロープを頼りに歩けるように。
レスキューセットの中には、固形燃料、耐風マッチとライター、鏡(ぴかぴかひからせて現在位置を知らせる)。そして、緊急時連絡カードが入っています。
緊急時連絡カードには緊急時に伝えるべき項目、通信周波数、衛星電話の番号などが書いてあります。越冬交代まであと260日あまりの間、これを使うようなことはまずないはずですが、それでも日々、携行していきます。