世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

マイナス17度で一時間半

17日の午後、地磁気観測の仕事をしてきました。

地球の磁場の角度を1秒=1/3600度の精度で測るものです。まわりに鉄があると観測できないので、暖房器具は後ろに見える大きめの電球だけです。室温はマイナス17度。

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観測の準備作業をしているところを撮ってもらいました。磁気の観測をしているときは、カメラは室外の離れたところに置いておきます。この建物も、鉄を使わずに、アルミと真鍮と木でできています。

 

息が白くなります。目盛りを覗くレンズが息で曇ると、すぐ霜になります。霜をちょいちょいとアルコールで拭きながらの作業です。微妙な操作をするので、手袋も薄手のものです。

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マイナス25度を下回ったら、機械が傷むから延期しましょう、と言われています。人間が傷むから、ではありません(笑)。

 

だいたい月一回のペースで、この観測をやります。今回は午後1時すぎから1時間半くらいかかりました。仕事がおわって温かい風呂にはいると、ほっとしましたね。