世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

ブリザードが終わった!外に行こう!

5月23日の朝になって、風雪がようやくおさまってきました。18日から続いていた「外出注意」「外出禁止」も朝食前に解除になりました。さあ、外に出よう。

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まず建物と観測装置の点検からはじめます。排気口に詰まった雪をかき出したり、アンテナの枝が折れていないかどうか、双眼鏡でチェックしたりします。

 

空気の成分を精密に測る装置を点検するため、タワーに登っています。気温はマイナス11度くらいと暖かく(?)、風も弱かったので屋外作業には絶好の日でした。

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これは大型大気レーダー”PANSY"のアンテナ群です。雪に埋もれてしまう前に、下の方のエレメント(枝のようなもの)を外しています。

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昭和基地の除雪はたいへんな仕事です。パワーショベルや雪上車で雪を平らにならしていきます。雪面に凹凸があると、ブリザードのたびに大きくなって、車両が通れなくなります。

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今回のブリザードの始末には一週間くらいかかるのでは、と言われています。