世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

冴える星空

空気は温度が高いと多くの水蒸気を含むことができますが、今の昭和基地のように冷え込むと、水蒸気が減って、空気の透明度が上がって、星々が冴えわたって見えます。

7月31日の夜に撮った写真です。画面左よりにみなみじゅうじ、その右にエータ・カリーナと呼ばれるピンク色の星雲が写っています。

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 南十字星の左下にはコール・サック(石炭袋)とよばれる、星の少ない黒々とした部分があります。このあたりは星が少ないのではなく、暗黒星雲があるために、その後ろの星々がみえない領域です。

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さそり座からいて座にかけての天の川です。コール・サックとおなじく、暗黒星雲が天の川の前にあって、くろい筋になっているのが見えます。

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大マゼラン星雲です。

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毎日、昼が長くなるということは、昭和基地で星空を眺められる夜は短くなっているということでもあります。太陽の明るさに感謝しつつも、少し名残惜しい気もしています。