世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

波打つ真珠母雲

12日の夕暮れ、日が沈んだ直後の西の空です。 

f:id:nankyoku_30nin:20160812230130j:plain

明るく輝く横縞が、高さ20~30キロメートル付近の成層圏にできる真珠母雲です。(ふつうの雲は高度10キロメートル以下にあります)

これまで、ぼんやりと輝く雲は見てきましたが、こうしたはっきりした筋のような構造を持つものはめずらしい。 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

大気の観測を担当している隊員に聞いたところ、昭和基地に近づいている低気圧が、上空、ごく高いところに波を伝えているのではないか?とのことです。こんなふうに、専門家の話をすぐに聞けるのも昭和基地の楽しみです。

f:id:nankyoku_30nin:20160812230243j:plain

 美しい眺めですが、この雲の周辺は化学反応が活発で、オゾンがどんどん壊されているのだそうです。

「虹の雲」が英国上空に出現、オゾン層を破壊 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

美しいものが善きものとは限らない…。 

 

太陽が沈んで1時間半くらい後です。空が真っ赤に染まりました。

f:id:nankyoku_30nin:20160813044612j:plain

(この写真、フォトレタッチソフトは使っていませんよ。)