世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

遠征出発記念!?ご本人へ30の質問 中編 【代理人投稿】

日本の土曜と日曜は天候に悩まされましたね。

みずほ基地に向かったご本人のお天気は?と空を見あげても、遠すぎてさっぱり検討がつきません。

『何があってもきっと大丈夫』と信じて今日も空を見あげます。

 

さぁ、旅の実態に迫りましょう!

インタビューは続きます。

 

Q11.遠征中何℃を体験するのでしょう。
 A11.10月5日から7日のみずほ基地の気温は、最高でマイナス21度、最低でマイナス29度くらい。マイナス40度を体験できるかもしれません。

 

Q12.さっぱり検討がつかない温度ですが、何をどのくらい着こむのですか?
 A12.雪上車の中は温かいです。外に出るときは、防寒下着、つなぎ、フリースのジャケット、羽毛服、目出し帽、ヘルメットの順に着込んでいきます。


Q13.遠征中、どんなご飯を食べるのですか?
 A13.インスタントラーメンやフリーズドライ食品も持っていきますが、これまでの昭和基地でのごはんを少しずつ冷凍して準備してくださっているので、それがメインになります。

 

Q14.予備の食事ってどんなもの?予備食は何食分用意したのですか?
 A14.停滞食と非常食の二種類があります。停滞食は、予定通りに帰れなかったときの延長日程で食べるもので、通常の食料とおなじです。余分に積んでいる、というだけですね。停滞食は一週間分です。
 非常食はほんとの非常時に食べるもので、生のお米、レトルト食品等のほかに、カンパン、カロリーメイト、ビスケットなどすぐ口に入れられるものも用意されています。4台すべての雪上車に分散して、4日分を積みます。

 

Q15.水ってどうやって用意するのですか?氷をとかすのですか?
 A15.雪を蓋付きのバケツに入れて、車内に入れておけば溶けて水になります。たくさん雪をとっても水にするとほんのちょっとなので、水作りはたいへんです。


Q16.また、遠征中は風呂なしですか?前回は6泊7日の風呂なし生活でしたが、ご自分のにおいって気になりました?
 A16.においはあんまり気にならないですね。かゆくならなければよし、です。

 

Q17.ご自分の荷物って何キロぐらいになるのですか?私物は何を持ちました?けん玉持っていくんですよね。
 A17.私物は衣類を含めてダッフルバッグ一つにまとめることになっています。重さは10キロちょっとかな。けん玉は持って行きますよ。

 

Q18.荷物は2~3週間で10キロですか。か、軽い・・・。そもそも着替えって毎日するのですか?それとも数日おきですか?
 A18.下着は4・5日で交換して捨てるつもりで準備しています。山登りと違って、そんなに汗をかくこともありませんし。シャツやズボンはよほど汚れたり濡れたりしなければそのまま。帰ったら洗濯せずに捨てます。

 

Q19.遠征中の一番の楽しみは?
 A19.さて、どんなことが待っているのか、想像がつきません。何があるかわからないのが楽しみ、かな。

 

Q20.この遠征ソングってあります?一番ご心境に近い歌は何?
 A20."遠征ソング"、その発想はなかった。
 大陸をトコトコ走る雪上車のバックに流すとしたら、Gipsy Kingsの"Inspiration"。

www.youtube.com


 https://www.youtube.com/watch?v=HiVdoBccjNo