世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

南極大陸の旅・旅の日常

旅行中は、朝6時に雪上車のエンジンをかけることになっています。そのまえに冷却水やオイル、ファンベルトなどの点検をする必要があるので、5時45分くらいには起きることになります。

朝の6時45分ごろ、動き出す前の雪上車と日暈です。

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朝ごはんは7時から食堂車に集まっていただきますが、日程が厳しくなると、前夜にパンなどをもらって食べながら出発準備、という日もありました。早いときは8時まえ、遅くても8時半には出発です。

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4台の雪上車が一列になって、時速7キロから10キロくらいのスピードで進みます。

 

一日の行動を終えたら、ドラム缶から給油します。1台あたり150回から200回、手回しポンプを回すのは辛いものです。

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吹雪になっても雪がつかないように雪上車やそりをならべて、それから夕食です。この日は雪上車の向こうに満月が浮かんでいました。

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夜は、こんな感じで車内に寝袋をひろげて休みました。一酸化炭素中毒などの危険を避けるため、寝る前に雪上車のエンジンを止めます。暖房もストップするので、一番寒いときには室内がマイナス11度くらいまで下がりました。

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翌日の行動に差し支えるので、23時すぎには寝るようにしていました。

眠れなくて困る、ということはなかったですね。

…おやすみなさい。