世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

質問にお答えします!No.1 (代理人更新)

もうすぐバレンタインデー。

週末のスイーツコーナーは混んでいるのかな??

代理人はすでに自分用にチョコをつくり(溶かして固めただけ)毎朝食べていますが、来年はご本人にあげようかな!?

と考えるとちょっぴり楽しくなりました。

 

今日はサボテンさんの質問にお答えしま~す!

  

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(Qサボテンさん、Aご本人)

Q1.ブリザードで外出が出来ない場合、お仕事以外では基本的には何をしていることが多いのですか?

A1.わたしの知っている限りでは、本や漫画を読む、映画やドラマのDVDを見る、部屋の掃除をする、ネットサーフィン(死語かな?)などなど。テレビは見られませんが、日本での外出しないお休みとそんなに変わらないと思います。

 

Q2.源さんは休みには落語などを聞いているとのことですが、他の方はどのように過ごされているのでしょうか
 (麻雀は盛んではなく、ボードゲームが盛り上がってるとの記事がありましたが・・・)

A2.室内での過ごし方に加えて、お天気が良ければ散歩・遠足に行く、ドローンを飛ばす、スノーボードで滑るなどのアウトドアでのお楽しみもあります。ゲレンデはごく短くて、もちろんリフトなど無いのですが、何人かは自分の板を持ち込んで楽しんでいたようです。

 

Q3.57次隊で一足先にしらせに戻った皆さんは、残りの方々と合流するまでに何をして船の中を過ごすのでしょうか?
 また、南極を出発してから船の中でどのように過ごすのでしょうか?

A3.まず、しらせに戻ってきて2・3日は、多くの人はぼーっとしてます。燃え尽き症候群でしょうかね。
 仕事としては、「日本南極地域観測隊報告」の原稿を書かないといけません。かなり分厚いもので、昨年帰国した56次隊の報告は461ページありました。もうひとつ、「自己点検」といって、出発前の計画に対してどれくらい達成できたか評価する書類も書きます。こうした極地研究所への報告に加えて、自分の担当していた観測成果をまとめる隊員もいます。
  それから、帰り道に仕事がある人もいます。わたしも2月21日から3日間、アムンゼン湾というところへ行って、無人観測装置を設置する予定です。手順書を作ったり荷物を確認したりしないといけません。
 こうした仕事のほかは、行動の自由が制限された休暇、といったところでしょうか。ブリザードのさなかと同じように本や漫画を読む、映画やドラマのDVDを見るなどのほか、艦上体育でジョギングに励む人もいます。

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 お酒は夜8時を過ぎてから、です。

 

Q4.58次隊の方々と合流した際、57次隊で持ってきていた余った食材などはどうしているのでしょうか?

A4.前の隊の食材が使われることもあるので、双方の調理担当隊員で相談の上で、引き継いでいるのだと思いますが、詳細はちょっとわからないです。ビールやジュースなどの飲み物の残りは次の隊に贈られます。引き継がれないものは、生ごみとして焼却処分になります。食べ物を廃棄するのは気持ちのよいものではありませんが、きっちりの量を持ってきて足りなくなると大変なので、ある程度あまりが出るのはしかたないのでしょう。

 

Q5.ブログ内では、よく看板やアンテナ、扉が雪で埋まっている写真をお見かけしますが、一番高く積もっている場所でいうと何メートル位の積雪になるのでしょうか?

A5.まず、南極では雪がふるときはたいてい風が強いので、国内で見るような積雪はありません。建物やちょっとした小山の風下に雪がついて、どんどん大きなかたまりになっていきます。高さ2メートルを超えるところもあって、そういうところにかまくらを掘ったりします。

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Q6.夜ご飯などで食べきれなかった料理などはどうしているのでしょうか?
 (次の日の朝などで消費するのでしょうか?)
A6.一部の食材は(次の日の朝でなくても)再利用されます。スープやカレーの具で、「ああ、昨日のあれね」とわかることもあります。すべてを使い切るのは無理だし、長く置いておくと衛生上の問題もあるので、生ごみとして処分するものもあります。