世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

帰国歓迎会 【代理人投稿】

ご本人が帰国して3週間がたちました。

時間がたつのが早いんだか遅いんだか、もうわけがわからなくなっている代理人であります。しらせからやってきた段ボールと格闘しつつ、ふりつもる疲労を感じています。

 

この3週間でご本人は南極に行ってきたんだぁと実感することがありました。

一つは、エアコンを消すという行為自体を忘れていたこと。南極では部屋にエアコンがありませんからね~。

二つめは、割れて芯がみえた鉛筆を平然と使っていたこと。代理人が「なにこれ~」と言ったら「雪上車に踏まれちゃったんだよ」とまさかの回答。鉛筆がこわれても買いに行く店がありませんからね~。でも、ここは文明社会、速攻ゴミ箱行きとなりました。

三つめは、バイキング形式のご飯を食べていて、ウエイターに「新しいお皿をお使いください」と言われていたこと。昭和基地では食器当番が隊員の食器を洗うし、遠征では水が貴重で食器はふくだけで洗いませんからね~。頑張って南極で過ごした証ですね、ははは・・・。

 

さて本題にうつりましょう。

4月11日に第57次越冬隊・第58次夏隊の帰国歓迎会が明治記念館で行われました。

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観測隊のみなさんがスーツなのがとても不思議にうつりました。ずっと防寒着や作業着でしたからね。

ご本人は諸事情によりできませんでしたが、南極では髪を謳歌して(!?)金髪やのばし放題などユニークだった方が多かったのですが、なんだかこざっぱり。順調に社会復帰をされておられるようです。

代理人はいろんな方に「また、南極に行きたいですか?」と聞いてみました。

ひとりだけ「行きたい!」と即答で、あとは「今はとても・・・」「う~ん・・・」と重たい口調でした。

みなさん飄々としていますが、実際はとても大変だったのだろうなぁ、と推察しました。

 

こうやって笑顔でこの日を迎えられて、本当によかったなぁ。。。

この先の人生で、またこの日を迎えることがあるのだろうか!?と脳裏をよぎった一日でもありました。

ご本人曰く「帰ってきてすぐは、行きたいとは思わない。でも、時間がたてばいい思い出だけが残るんだよ」

さて、どうなるか。

乞う、ご期待!?