南極建築の歴史展
5月27日まで、京橋のLIXILギャラリーで巡回企画展「南極建築 1957-2016」が開かれていました。
京橋は銀座の近く。そんなに用事がある、というところでもないので、なかなか足を運ぶ機会がなかったのですが、開催最終日に滑り込みで行ってきました。
観測隊員が身につけるグッズや建物の現状の展示は、自分にとっては目新しいものではないのですが、一次隊のプレハブ建築工事風景の大きなパネルなどはなかなか見ごたえがありました。
一次隊の設計基準6項目が紹介されていましたが、全く行ったこともないところの状況を想定する難しさを感じさせますね。
最低気温マイナス60度
→マイナス40度を下回ることはまれ。
風速は常時毎秒80メートル
→50メートルを超えることはめったにない。
最大雪面は屋根面で2メートル
→まわりに建物がなければ、ほとんど積もらない。
地震力は零
→これは正解。身体に感じる地震はない。
湿度40%(相対)
→まあまあいい線。
室内気温プラス20度(温度差80度)
→温度差80度は過大。
よくわからないときには十分に余裕を持って準備するのが鉄則ですが、設計者は苦労されたでしょうねえ。建物が軽すぎるのでワイヤーで地面に固定した、というのは初めて知りました。
この、一次隊の建てた建物のうちひとつはまだ健在で、文化財として昭和基地内で保存されています。
あと、世界各国の南極基地の紹介が興味深かったです。
極地の自然環境に耐えられる建物は似たようなものかと思いきや、各々の基地の環境に沿った工夫にお国柄のようなものが合わさって、個性豊かな建物ができています。
機会があったら他国の基地に行ってみたいですね。外人さんの中で越冬するのはしんどいかもしれないけど。