世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

「面白南極料理人」第7回

 このドラマ、ご飯のシーンが楽しみなんですが、南極経験者としては、とっても気になることがあるのですよ。

 

それは、おかずに緑の野菜があること。レタスか、サラダ菜か、と思われる葉っぱがお皿に乗っていて、ありえないよなあ、と思ってしまうのです。

前回、第6回ではお好み焼きをつくっていましたが、6月のミッドウィンターの後にまで保存したキャベツをそんな、お好み焼きで消費し尽くすなんて、ありえねえ。

これは、野菜がふんだんにある別の世界の南極のお話なんだ、と思っていたのですが、今回はもやし栽培が出てきました。

 

www.tv-osaka.co.jp

 

昭和基地でも、もやしを栽培していました。 

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豆のカラを取っています。ひげ根をむしるのは勘弁してもらいました。

おひたしやナムルにして食感を楽しみました。ラーメンに入れたい、という声もありましたが、相当な量を一気に作らないといけないので、越冬中に1回、実現させただけです。

 

今の昭和基地には、「野菜工場」があります。

nankyoku-30nin.hatenablog.com

環境保護の関係で土は持ち込めないので、水耕栽培です。

サラダ菜などの葉物は作れますが、芋やにんじんなど根菜は無理。

シソも立派に育つのですが、なぜか香りが薄い。水と肥料だけだと、ミネラルか何か足りないのかなあ。 

 

さて、「面白南極料理人」は次号予告を見てもドラマだか妄想だか、わけわかんなくなっていますが、2月27日の夜(再放送は28日の深夜)、地上波・NHKでガチのドキュメンタリーが放送されます。

www4.nhk.or.jp

私が参加した57次隊の越冬隊長が出演されるとのこと。録画予約を入れました。