世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

eテレ「又吉直樹のヘウレーカ!」

さて、再放送もすんだことですし、語りましょうか。

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一年あまりともに過ごした57次隊越冬隊長を見て、あんまり変わっていないなあ、と感心したり。48次隊の往復ともに南極に運んでもらった先代の「しらせ」の船内がとても懐かしかったり、ごく個人的な見どころはたくさんあったのですが、膝を叩いて納得したのは、

 基地の内部にいて、ある人はisolation(閉じ込める隔離)を、
 またある人はinsulation(保護する隔離)を感じる。

というところ。

 これは、基地の外は「日本」か、「南極」かという意識の違いよるんじゃないかと思います。つまり、

 日本から切り離されて昭和基地に居る

 南極の中の昭和基地というシェルターに居る

 どちらと思うか?

 

 私は、ずーっと後者でした。ブリザードに閉じ込められた夜、南極は、人が住めるところではないのだなあと実感しました。 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

  基地の外は日本だ、と思うと、isolation(閉じ込める隔離)だと感じてしまうんでしょう。どっちがよい、というものでもなく、人それぞれの感じ方です。

 

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8月、満月の下の昭和基地です