昭和基地より強い風
台風15号の被害に会われた方にお見舞い申し上げます。
千葉市では最大瞬間風速50メートルを超えたそうです。
「最大風速」は10分間の平均風速の最大値、「最大瞬間風速」は瞬間風速の最大値です。一瞬でも大きな数値が出れば「最大瞬間風速」は更新されます。なので、瞬間風速は平均風速よりも大きく(だいたい1.5から2倍)なります。台風のニュースでは数字の大きい「最大瞬間風速」がよく報道されますね。
さて、南極・昭和基地でもしょっちゅう強風が吹きます。雪をともなうブリザードですね。私が体験した第57次越冬隊(2016年2月から2017年1月)での最大瞬間風速は47.3メートル。今回の台風はこれより強風だったことになります。なお、1957年の観測開始以降、最大の瞬間風速は61.2メートル(1996年)です。
台風と違って、昭和基地のブリザードでは強風が長いこと続くのです。また、風が強くなるとパウダースノーが舞い散って、あたりが見えなくなります。こんなときは外出が制限されます。2016年2月から2017年1月の一年間のうちだいたい11%に外出制限がかかっていました。
未明に強風の音を聞いて、昭和基地のブリの夜を思い出しました。日本では、終わったあとのきつい雪かきはありませんが、超満員の電車での通勤もなかなか辛い。