世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

天空に伸びるレーザー光線

4日、夜の早い時間はあまりオーロラは出ていませんでした。夜空の写真を撮ってみたら、緑色の線が空にとどいています。

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超広角レンズを使っているので、曲がった線が写っていますが、実際には二本の平行な光線が、真上にのびています。

これは、「マイクロパルスライダー」という観測装置から発射されたものです。

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この、黒い2つの望遠鏡が観測装置です。マイクロパルスライダーは、空にむかってレーザー光線を出して、反射してくる光から、上空の雲や浮かんでいる微粒子(エアロゾル)を測るものだそうです。日本国内の観測点では、立ちのぼるレーザー光線が肉眼でも見えるそうですが、空気の澄んだ南極では、写真に撮らないと気が付かないです。