世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

帰国後身体検査

12日は朝から絶食。帰国後身体検査の行われる代々木病院へ向かいます。

越冬隊員だけが対象で、検査項目は出発前の検査とほとんど同じです。

  • 身長・体重測定
  • 肺活量
  • 心電図2回(ふつうの時と踏み台昇降運動のあと)
  • 血圧測定
  • 直腸診
  • 眼圧測定
  • 内視鏡検査
  • 採血

の順に受診しました。

さて、この身体検査ですが、病院に検査の結果の問い合わせても結果は教えてもらえません。極地観測隊員健康判定委員会で審議されます、ということですが、そういえば隊員選考のときの健康診断でも結果の通知はなくて、隊員としての内定をもらったので健康上の問題はないんだろうと理解しておりました。

 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

帰国後はどうなるのかしら。でも、まあ、なにか異常が見つかったら教えてくれるのだろうと期待しています。

「しらせ」から荷物を引き取ってきました

4月10日に晴海に到着した南極観測船「しらせ」は、その日のうちに大井ふ頭に回航されました。11日から13日の3日間ですべての荷物を陸揚げすることになっています。


わたしは12日に大井ふ頭に出かけて、「しらせ」から荷物を引き取ってきました。

40日あまり暮らした部屋から、私物を運び出します。 

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他に、コンテナで運んだ荷物もあって、ダンボール、プラケース大小あわせてぜんぶで13個。レンタカーにぎゅうぎゅうに詰め込んで帰宅しました。

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ちょっとした引っ越しですね…慣れない運転とおかたづけで、くたびれました。

帰国報告会の前に

4月11日、冷たい雨が降る中、明治記念館で第57次南極地域観測隊越冬隊、第58次南極地域観測隊夏隊の帰国報告会と歓迎会が行われました。その報告会の直前、私が居たのはこちら。

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帰国後初の落語は、新宿末廣亭になりました。

 

この日は漫才のナイツが出ていて、テレビでは放送できないであろうネタを披露。

次々と出てくる芸をぼんやりと眺める、至福の時でした。

 

紙切りでは「ペンギン」を注文。林家今丸師匠に氷山をバックにしたペンギンの親子を切ってもらいました。だいぶ苦労されてましたなあ。

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この写真は切り抜いた作品ではなくて、切り抜かれた残骸、通称「B面」です。A面はこのあとの宴で57次夏隊員にあげちゃいました。

って、「A面」「B面」っていっても、レコードもカセットテープも見たことない人がいる?

「しらせ」が東京に帰ってきました

3月22日にシドニーでお別れした「しらせ」が東京に帰ってきました。

www.jiji.com

 

ですが、私は入港した晴海埠頭には行っていません。

今日は船内にはたぶん入れないし、乗員のみなさんも入港行事への対応で忙しいでしょう、との情報を頂いていたので、帰港の様子だけを見にいくのはやめました。

「しらせ」は、朝に晴海に着いて、午後には大井ふ頭に移動します。私物の引取は大井に出向くことになります。わたしは12日にレンタカーで行く予定。さて、ぜんぶ収納できるかな? 大いに不安です。

 

11日には国立極地研究所主催の帰国報告会・歓迎会が予定されています。場所は明治記念館。スーツを着てくるように、との指示がありましたが、ざんねんながら雨模様で、寒そうですね…。

南極ブログと宇宙ブログ

帰国後10日あまり、花をめでるより花粉に苦しめられております。「しらせ」がシドニーについた直後から抗アレルギー薬を飲んでいたのですが…。

 

さて、4月1日付の朝日新聞土曜版、"be on Saturday"に宇宙飛行士・大西卓也さんのインタビューが載っていました。

「宇宙の景色を写真で紹介して興味を引くだけじゃなく、どんな研究や生活をしているのか、知ってもらいたかった。宇宙飛行士自身の口でしか、そこは語れません。」

いや、こんなに簡潔にまとめられちゃいました、さすが。

 

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宇宙→南極 飛行士→越冬隊員と置き換えれば、まさに私が昭和基地でブログを書いていた、その一番大きな動機です。宇宙飛行士は日本から年にひとりくらい、越冬隊員は30人くらいと、その希少価値はだいぶ違いますが。

大西さんはお帰りになった後もフォローを続けておられますねえ。来週には「しらせ」が東京に帰ってきます。わたしも更新ができそうです。