世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

氷山を砕く

19日の土曜日、「アイスオペレーション」に参加しました。氷山の氷を取ってくる仕事です。

雪上車で出発。目標の氷山が見えてきました。

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いろんな道具を使って、氷を砕いて取っています。持ち帰る氷には白い泡が入っていることが重要。あんまり透明なやつはよろしくないので、検品係もいます。

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ダンボールにこんな感じで入れます。一箱10キロが目安。

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そりに積んで昭和基地に持ち帰って、基地の冷凍庫に保存して、「しらせ」の冷凍庫に移し替えて日本に運ばれます。極地研究所の広報活動に使われる南極の氷は、これです。立川市南極・北極科学館では常時展示されています。

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氷山の氷は、雪が長い時間をかけて押し固められられたもので、氷のなかの泡は、その雪が降ったときの空気です。水の中に入れると「パチパチ」という音をたてて、数千年(以上?)まえの南極の空気が出てきますよ。