消火訓練の見学
昭和基地で火事が出たら、自分たちで消火しないといけません。消火器を使った初期消火に失敗したら、自分たちでホースを伸ばして放水。同時にけが人を救護したり、危険物を取り除いたり、場合によっては延焼を防ぐために建物を壊すことがあるかもしれません。
27日の午前、一年間昭和基地で過ごした56次隊による消火訓練を見学することができました。
「火災発生!」の非常放送とともに、56次隊員全員が自分の担当する道具をもって駆け出します。
みんなが火元に向かって走ってはいけません。たとえばホース係なら、火元と水源の間の適切な場所にホースを運んで、延ばして、つなぐ必要があります。一年間、訓練を重ねてきた56次隊員の動きは迅速で、みごとでした。
人員配置と手順確認の訓練の後は、放水の体験をさせてもらいました。
国内でも消防署と防災館で訓練をしましたが、そのときよりも水圧が強く、ホースの筒先を持つのは二人がかりです。先頭の人は全力で保持しないと筒先が暴れます。二番目の人は先頭の人に身体を密着させて、放水の反動をおさえます。
2月1日の越冬交代のあとに火災が発生したら、わたしたちで火を消さなくてはなりません。本当に火事は怖い。火を出さないのがいちばん、と痛感しました。
越冬中も、月に一回くらいは様々な消防訓練が行われますが、たぶん写真を撮る余裕はないでしょう。