世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

第57次隊報告(2015-2017)

10月28日、南極観測隊の先遣隊が成田を出発しました。飛行機を乗り継いで南極に向かいます。いよいよ第59次隊の行動が始まりました。

その2日前、分厚い封筒がとどきました。私が参加した57次隊の報告書でした。492ページあります。

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昨年3月に帰ってきた夏隊、今年3月に帰ってきた越冬隊、両方の記事が入っています。観測や基地運営の状況から、食料から散髪までたいていのことが書いてあります。が、とくに◯◯が大変でした!という事柄が強調されてはいないので、読んでおもしろいというものではないです。f:id:nankyoku_30nin:20171027100215j:plain

 原稿は帰りの「しらせ」船内で提出することになっています。わたしも、自分が担当したオーロラ観測などの項目を執筆しています。

まあ、全部読む、というものではありませんが、昭和基地での越冬中にも「この作業はどうやったんだろう?」と何年か前の記録を探すことはありました。日本の南極観測隊は、隊ごとに仕事も隊員も区切りをつけるので、当時の担当者をつかまえて尋ねるのがむつかしいこともあるのです。

なので、「しらせ」が昭和基地に向けて出航するまでに印刷して、載せていくのが締め切りになります。次の隊の行動が始まるのにまにあわせないといけません。

 

我が家の本棚の南極関係資料コーナー。電子ファイルがあるものは、なるべく処分するようにしているのですが、やっぱり増えてきましたね。

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