世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年2月1日に次の隊と交代。3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

日テレ「世界の果てまでイッテQ!」登山部南極プロジェクト

3時間スペシャルをリアルタイム通しで見るのはしんどいので、録画して、ようやく視聴完了しました。

日テレ「世界の果てまでイッテQ!」登山部南極プロジェクト

 

まず軽く南極点へ、というのがうらやましい。さすがに地上波は資金が潤沢だ。

  • お湯花火
  • かき氷
  • 息が白くならない

このあたりは、南極あるあるの常連ですね。放送されてから、「お湯花火」で検索してこのブログにおいでになる方が急増しております。

 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

  

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

ヴィンソン・マシフ山(標高4892m)へも、ツアーが出ているんですね。南米プンタアレナス集合・解散で450万円くらい。

ふもとのキャンプでのくらしは、一昨年の10月に経験した南極大陸への旅を思い出しました。 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 イモトさん一行は強風でテントがあおられて、かなりつらい目にあっていました。テントではなく雪上車で暮らしていたので、強い風が吹いてもそんなに困りはしませんでしたが、それでも「南極では何が起こるかわからない」というセリフには心から同意。何かあっても、ヘリコプターなどによる救援は期待できない、というのも大陸旅行とおなじです。ともかくも、みなさん無事で帰ってこられてよかったですね。

 

個人的に一番印象に残ったのは、ユニオングレイシャー・ベースキャンプのご飯がおいしそうだったこと。

antarctic-logistics.com

暖かいものが食べられると元気になります。昭和基地の夏宿舎もバイキング方式にしてもらえるといいのに。 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

このところテレビの記事ばっかり書いているなあ。マツコ・デラックスの番組では、観測隊員の服が紹介されたようですし、今年は南極の当たり年なのか?

 

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」第七話:観測船乗艦

フリーマントルに着いていよいよ観測船に乗りましたね。

 観測隊員は一列縦隊で乗り込みます。先頭は隊長。

f:id:nankyoku_30nin:20180217103300j:plain

私が57次越冬隊で南極へ往復するときに乗った「しらせ」が民間観測隊に使用されているという設定なので、画を見るとちょっと懐かしい。

 

私が使わせてもらったのは二人部屋でした。作中で高校生たちが使った四人部屋もあります。寝相はともかく、いびきなどで辛くならないように、耳栓はもっていきました。 

f:id:nankyoku_30nin:20180217102632j:plain

番組でも紹介されていたように、引き出しにはロックがかかっています。ロックがないと、暴風圏で大揺れしたとき飛び出してきて危ない。

 

船内はたしかに広くて、階段がいっぱいあるので迷子になりそうです。ただ、まったく外に出られない(あたりまえ)ので、じきに道順は覚えます。

 

艦内でビールを運んでいるのは、たぶん南極へ向かうあいだに呑む免税品でしょう。ビールに限らず、艦内で物を運ぶときにはバケツリレー方式。人を並ばせて荷物を順々に渡して送りますが、人手不足なので持ちあるいて運んでいるのかな。

 

あと、女子高生諸君

荷役作業時にはヘルメットをかぶりなさい!

f:id:nankyoku_30nin:20180217105218j:plain

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」第六話:旅券の話

第六話は、観測隊員の実際の行動と重なるところがほぼありません。なので、隊員のパスポートのお話でも。

f:id:nankyoku_30nin:20180209100203j:plain

日本國公用旅券・ OFFICIAL PASSPORTと記されています。

公用旅券は「国の用務のため外国に渡航する者及びその者が渡航の際同伴し、又は渡航後その所在地に呼び寄せる配偶者、子又は使用人に対して発給される旅券をいう。」

旅券法第2条第1号

観測隊員は国の用務のために出かけてくるので、この緑色のパスポートを発行してもらいます。宇宙よりも遠い場所の女子高生たちは国の用務ではないので、一般旅券でしょうね。

 

公用旅券は、一般の旅券と違って渡航先が記載されています。ここに書かれていない所には行けない、ということです。 

f:id:nankyoku_30nin:20180209100214j:plain

 

私のパスポートには、渡航先として

  • オーストラリア(船に乗り込む/降りるところ)
  • 南アフリカ共和国昭和基地から一番近い文明圏なので、緊急時の搬送に備えて)
  • シンガポール(帰りに飛行機を乗り継ぐ可能性がある?)
  • 香港(帰りに飛行機を乗り継ぎました)
  • 南極地域 (Antarctic zone)

が記載されています。いちおう、シンガポールには行けるのですね。乗り継ぎでも空港から出なければ、旅券を提示することはないのですが、何らかのトラブルで一晩、二晩過ごすことになると大変ですから。

私の参加したの57次越冬隊は、2015年12月の往路は成田空港からオーストラリアへ直接向かい、2017年の帰りには香港で乗り継ぎをしました。香港には朝5時到着、8時40分出発で、空港の外に出ることはありませんでした。

 

なお、旅券は往路にオーストラリア・フリーマントルを出港したら隊の庶務担当がまとめて保管します。  日向さんみたいに紛失騒ぎのないように、です。 (^-^;

 

あ、飛行機の座席は、隊長もみんなエコノミーですよ。

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

比較情報.comのWebメディア「マネ会」に寄稿しました

Webメディア「マネ会」に寄稿した記事が2月8日付で公開されました。

昭和基地に行く観測隊員の仕事とお金について、紹介しています。

 

hikakujoho.com

 

依頼を頂いたとき、すこし考え込みました。なにしろお金の話題は発火点が低い。下手なことを書いて炎上して、いま南極に行っている人やこれから行く人に迷惑をかけたくないなあ、と思ったからです。

担当の方と打合せをして、「仕事」と「おカネ」両方について紹介する記事にしましょう、ということになりました。お金については、公開されている情報と自分自身の話(確定申告とか、生命保険とか)を語ることにして、それなりに気を遣って執筆。昨年12月に依頼をいただいて、年末年始に第一稿を仕上げて、掲載まで2か月弱かかりました。

 マネ会とは「みんなでお金について考える」場です。ということで、さまざまな趣味人や珍しい職業の方による、お金についてのコラムが載っています。お金を払う話が多いのですが、今回、私が書いたものでは支払いの話はほんのちょっと。これも南極らしいといえるのかもしれません。

 

 

 

 

2月2日深夜に放送されたラジオが、youtubeで聴けるようになりました

開始後、だいたい16分くらいから私がおしゃべりするコーナーになります。福島アナウンサーの上手な誘導に乗っかって、約30分、無事に話をつなげることができました。


2/2 あなたならどうする!?『もしも、南極に行くことになったら!?』


福島のぶひろの『どうぞお構いなく。スタジオ日記に当日の話題が紹介されています。


犬はいません、昭和基地のネット事情、野菜工場などなど、話がいろんなところに転がっていって、ライブ感がなんとも言えない。隊員同士の喧嘩はあるの?という質問には、差し障りのない回答を全力で考えましたが。

 

福島アナウンサーの「テレビは時間が短いので情報が限られる。ラジオでゆっくりお話をうかがいます。」というセリフには共感しました。視聴覚に訴えるテレビ15分と、語るだけのラジオを比べれば、テレビのほうが多くの情報を伝えやすいように思うのですが、やってみるとそんな気がしない。きっちりとシナリオを作り込むテレビよりも、ラジオは自由でたのしいですね。星野源AKB48岡村隆史などなど有名なタレントさんがパーソナリティーを進んで引き受けるのがわかる気がします。

 

あと、南極俳句を朗読していただきましたが、これは…なんとも照れくさいものでした。