世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年2月1日に次の隊と交代。3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

JARE60 大気電場観測訓練

秋になると観測隊の出発準備が加速していきます。そんな中、今年出発する60次隊員に観測訓練の講師をしてきました。

自分たち57次隊が出発する前の訓練は、北海道で、野外での訓練でしたが、今回は極地研究所。

nankyoku-30nin.hatenablog.com

帰国後一年あまりが過ぎましたが、極地でのこの機械の扱いに慣れているひと、ということで今年も依頼があり、職場には半日お休みを頂いて行ってきました。

 蒸し暑くてにわか雨もあるかも、というお天気だったので、室内で観測機器を接続してテストしました。

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 現地ではこんな感じで設置されています。

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霧が出て、霜がぎっちりと付いたこともありました。

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  お金がたくさんかかっている観測項目ではありませんが、私が今、書いている論文の重要なデータをとってくれる機械です。来年も頑張ってほしいものです。

 

--以下はちょっと理系な話--

私たちが住む地上の付近では、1メートルあたり100ボルトくらいの電圧がかかっています。人体は大地に電気的に接触しているので、これくらいの電圧では感電することはありません。落雷の電圧は100万ボルト以上になるので、これに打たれるとたいへんなことになりますが。

この機械で、大気の電圧の変化を精密に測ると、

  • 地球と上層大気の電気的なやりとり
  • グローバルな雷活動の状況
  • どんな雲がどんな電気的特徴をもつか
  • 吹雪の電気的な構造

などを調べることができるのです。