JARE60 大気電場観測訓練
秋になると観測隊の出発準備が加速していきます。そんな中、今年出発する60次隊員に観測訓練の講師をしてきました。
自分たち57次隊が出発する前の訓練は、北海道で、野外での訓練でしたが、今回は極地研究所。
帰国後一年あまりが過ぎましたが、極地でのこの機械の扱いに慣れているひと、ということで今年も依頼があり、職場には半日お休みを頂いて行ってきました。
蒸し暑くてにわか雨もあるかも、というお天気だったので、室内で観測機器を接続してテストしました。
現地ではこんな感じで設置されています。
霧が出て、霜がぎっちりと付いたこともありました。
お金がたくさんかかっている観測項目ではありませんが、私が今、書いている論文の重要なデータをとってくれる機械です。来年も頑張ってほしいものです。
--以下はちょっと理系な話--
私たちが住む地上の付近では、1メートルあたり100ボルトくらいの電圧がかかっています。人体は大地に電気的に接触しているので、これくらいの電圧では感電することはありません。落雷の電圧は100万ボルト以上になるので、これに打たれるとたいへんなことになりますが。
この機械で、大気の電圧の変化を精密に測ると、
- 地球と上層大気の電気的なやりとり
- グローバルな雷活動の状況
- どんな雲がどんな電気的特徴をもつか
- 吹雪の電気的な構造
などを調べることができるのです。