世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

訓練:ライダー観測

長野、北海道、名古屋の次は滋賀県です。8月22日、滋賀県信楽にあるMUレーダー観測所で訓練を受けてきました。MUレーダーとは、中層(middle)と高層(upper)の大気を観測するレーダーシステムです。

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475本のアンテナが並んでいます。

今回私たちが訓練を受けたのはMUレーダーではなく、空に向かってレーザー光を打ちあげて、その反射光から上空の温度を調べる「ライダー観測」です。
これまでの訓練で「HFレーダー」で風を、

 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

「ミリ波」で大気の組成

 

nankyoku-30nin.hatenablog.com

 

観測できると勉強してきました。さらに「ライダー」を使えば温度もわかる、というわけです。

お昼過ぎから夜9時くらいまで、冷却水の管理、フィルターやランプなど部品交換の手順などの訓練をみっちりと受けました。

 

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この観測に使われるレーザー光は、強いパワーを持っているので、皮膚に当たるとやけどします。まともに目に入れると深刻なダメージを受ける恐れもあります。安全第一。

 

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交換したランプ(特殊な電球)に通電するとこんな感じでに光ります。

 

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信楽といえば、焼き物のたぬき。駅前から街なかまで、どこにでもいます。

MUレーダーの前にも一匹。これって、"ゆるキャラ"の元祖?