「30人の基地」の終わり
12月23日の朝、58次隊員を乗せたヘリコプターが昭和基地に向けて、南極観測船「しらせ」を飛び立ちました。歓迎の横断幕を持って、ヘリポートで待ちます。
ひさしぶりに味わうヘリコプターの轟音と強風と砂ぼこり。
ついに代わりのひとがやってきました。わたしが昭和基地に到着してからちょうど一年です。
通信と気象の担当隊員は職場を離れられないのですが、その2人を除く全員で出迎えました。
新しい人が交代に来てくれるのはもちろんうれしいのですが、それとはべつに、なんとなく複雑な気分もあります。10ヶ月あまり、30人で暮らして、その人のシルエット、あしおとで誰かわかるような、濃い関係をつくってきています。そのなかに新しい人が入ってくるときにあらためて必要になる気遣いとか、意思疎通のもどかしさとか。そうした一般社会でアタリマエのことを思い出さないといけませんね。
57次越冬隊、30人だけの生活はおしまいになりましたが、このブログは、タイトルもこのままで、続けていこうと思います。