世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年2月1日に次の隊と交代。3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

【書評】宇宙主夫日記 山崎大地著(代理人投稿)

友達とのおしゃべりで「南極観測隊は出発したら、たとえ代理人が死んでも帰ってこないんだよ~」と力説しても、相手はぴんとこないようで、「まぁまぁ」とたしなめられてしまうことが多く、腑に落ちない代理人です。

確かに、ご本人が越冬中に死ぬ可能性は限りなくゼロに近いです。可能性がゼロに近い話にフォーカスをあてるな、という論理はわかります。でも、でも、でも、代理人は納得できません。

帰ってこないのは現実なの。だって本当に代理人が死んでも帰ってこないんだよ。そういう世界に代理人はいるんだってばぁ。

 

「長期間、帰ることができない」そういう人って、ほとんどいませんね。友達には想像の外の世界なのかも。だったら、伝わらないのは仕方のないことかもしれません。

 

代理人と同じ立場の人って誰?と考えました。同じ立場は南極観測隊の家族だけど、家族は誰も知らない。じゃあ、南極に近い、遠い世界ってどこだ?

それは、宇宙だ!ということで、宇宙に行った人の家族のお話ってあるかな?と調べたら、ありました!

「宇宙主夫日記 妻と娘と夢を追いかけて!」 山崎大地

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宇宙飛行士・山崎直子さんのご主人かぁ。。。読んでみようっと、と本を開きました。

まぁ、なんとリアルというか赤裸々なお二人のお話じゃあないですか。出逢いから、付き合うようになったことから、一緒に暮らすようになった日々(といっても訓練でほぼ不在)のこととか、お子さんが誕生し誰が子どもの面倒をみるか、どちらの仕事を優先するか、などなど。そんなに書いちゃっていいの?と心配になってしまうほど超リアル。

 

子どもを育てるにあたり、山崎大地さんは自分の夢を持ちつつも、他に選択肢がなく、ご自身が退職をされたのでした。

それからの日々というのも、葛藤の日々でして・・・、人生は過酷だ、と思ってしまうほどでした。

 

夢追い人が二人いる家族を運営するのは難しいだろうと思いました。その後、お二人は離婚されたようですね。

 

夫婦の喧嘩の内容に関しては、代理人は山崎大地さんと同じ待ち人なので「わかる!わかる!!わかる!!!」とめっちゃ共感しました。

 

「代理人だって・・・あのう・・・」あぁ、あぁ、あぁ、これ以上は言わぬが花ということで、お口チャックでございます。宇宙飛行士の訓練は日本を超えて、しかも長期にわたるので、それに向き合ってきた山崎大地さんと代理人は雲泥の差ですし、そもそもスケールが違いますが、仲間をみつけたような気になった本でした。