世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

・・・について考える

南の島でシロクマについて考える

小笠原諸島の父島に出張してきました。父島を含む小笠原諸島は世界自然遺産に登録されています。それは、海や自然がキレイだからではなく、この島々が過去に一度も大陸と地続きになったことがないために、風や海流や鳥によって運ばれてきたさまざまな生きも…

写真について考える

南極で活躍してもらった一眼レフカメラと交換レンズを処分しました。 このカメラで撮影したのは6800枚くらい。とくに魚眼レンズには、オーロラ撮影などで大活躍してもらいました。 nankyoku-30nin.hatenablog.com カメラは大好きですよ。中学生から高校…

南極ブログと宇宙ブログ

帰国後10日あまり、花をめでるより花粉に苦しめられております。「しらせ」がシドニーについた直後から抗アレルギー薬を飲んでいたのですが…。 さて、4月1日付の朝日新聞土曜版、"be on Saturday"に宇宙飛行士・大西卓也さんのインタビューが載っていまし…

白瀬矗について考える

シドニーでの2日目、3月21日に尋ねたParsley bay beachです。 海辺にトレッキングルートが整備されていて、湾の奥にはこどもむけの遊具があります。ここが、白瀬矗の一行がキャンプしていたところです。木々の樹齢が百年を超えていれば、彼らがキャンプして…

極地での活動を終えて考える (代理人更新)

本日の記事、ご本人はさらっと書いておりますが、代理人的には「閉鎖空間の極意がここに!」なんてタイトルをつけちゃいたくなります。 2月にしらせが南極を離れたら、次のしらせがお迎えに来るクリスマスの頃(順調にいけば)まで補給がありません。第57次越…

オーロラの楽しみ方を考える

10月2日の夜から吹雪になっています。そんな中ですが、4日の夜、いちばん光に敏感なオーロラ観測装置のスケジュールが終わりになりました。昭和基地では、もう真っ暗にはならない、ということです。 今年はお天気が悪くて、観測できる夜も少なかったのです…

季節感について考える

「はてなブログ フォトコンテスト 2016夏」の"ピックアップ10作品"に選んでいただきました。 "Tシャツ当選3作品"にはなりませんでしたが、わたしの場合、Tシャツを頂戴しても郵送してもらうわけにはいかないので、栄誉をいただければ十分うれしいです。 blo…

ブリザードの夜に考える

22日の朝から風雪が強く、午前中には外出注意令、夜には外出禁止令が出ました。たぶん、57次隊がこれまで経験したなかでは、最大・最強・最長のブリザードになっています。 風が秒速30メートル(=時速108キロ)にまで強くなりました。建物からみしみしと音…

隊次について考える

8年あまり前、私が48次越冬隊員として昭和基地にきているとき、49次隊の同行者だったオーストラリアの砕氷船「オーロラ・オーストラリス」のスタッフとバーで飲みながら「日本の南極観測隊ってどう思う?」ときいてみました。 「同じ隊の中はとてもフレンド…

昭和基地の夏を考える

12月23日に昭和基地に入ってから4週間あまりが過ぎました。1月20日は休日日課でした。元日、1月8日につづく3回めのおやすみです。わたしは観測機器の設定やコンテナからの荷出しなど、すこし仕事をしていましたが、追い立てられる感がすくなく、いくぶんリ…