本屋大賞・ノンフィクション本大賞受賞作「極夜行」を読みました
「極夜行」という本が、今年の、本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞しました。
この記事で、極夜にGPSを持たずに北極圏を歩いた人のことをちょっと紹介しましたが、その本ですね。
北極域の極夜の風景やオーロラの描写はあまりなくて、ひたすら行動と食料、それに想いが、迫力ある文章でぎっちりと詰め込まれている本でした。ここまで過酷な旅をしていれば、眺めを記録する余裕なんてないのかもしれません。
一日中、おひさまが昇らない極夜の経験者として相通じるものがあるかな、と思って購入したのですが、一読した感想としては、南極観測隊とは全く違う行動規範で動いているなあ、ということ。
暗い中を、GPSなし、自分がどこにいるかよくわからない中で一人で行動する、なんて少なくとも、日本の南極観測隊ではありえないことです。もしも観測隊で人が死んだら、今後の南極観測の継続が危うくなるかもしれない。
ときどき、 「南極探険隊に参加されていたんですか?」と問われることがあるのですが、日本の観測隊は、あえて危険を冒す「探険」隊とはだいぶ違います。
(昭和基地では、太陽が昇らなくても正午近くには薄明るくなります。何日も真っ暗な時間が続くわけではありません。)