講演のときもっていくもの
4月21日の午後、ゆうゆう高円寺南館で講演してきました。このとき持って行ったものを紹介しましょう。
左下にノートパソコン、電源ケーブルなど。2時間くらいのお話しだと、ノートパソコンのバッテリで十分なはずですが、万一にそなえてケーブルも持っていくようにしています。また、使用するパワーポイントはpdf化して、USBメモリにコピーして別途持参します。もしもPCが壊れちゃったとしても、pdfならPCでもタブレットでも借りてなんとかしよう、というバックアップです。動画は再現できないけど、何もなしで途方に暮れるよりマシ、ということですが、幸いまだそうしたピンチに陥ったことはありません。
南極で使ったヘルメット、帽子、冷凍庫作業用の手袋、それに防寒靴はまだ捨てずにとってあります。お子さまがいると、履いたりかぶったりして喜んでくれます。羽毛服は帰国する前に返却してしまいますが、極地研の広報にお願いすれば貸してくれます(送料はかかります)。
忘れがちな小物たちです。
プロジェクターにHDMI入力があるのに、現地にケーブルがない、ということが多いのです。オーロラ動画などは、なるべくいい画質でご覧頂きたいので、私物のHDMIケーブルを持っていくようにしています。
ハンコは、講演料をいただくとき、持参していないと厄介なことがあります。
南極観測隊員経験者が講演するときには、極地研究所広報室にお願いすれば、南極の氷を着払いで送ってもらえます。大きめのかたまりでやってくるので、アイスピックがあると、氷の音を聞くときにとっても便利です。
紙コップに砕いた氷と水を入れて、何万年か前の空気のはじける音を聞いていただいています。
これだけのものを持って、電車やバス、あるいは自転車で移動します。一枚目の背後に写っている、赤い大きな登山用のリュックサックが活躍するのです。
街を歩いていると、だいぶ変な人、ですが。
今週のお題「カバンの中身」
ご質問ありがとうございます。
17日正午までに2件、コメント欄に質問をいただきました。ありがとうございます。21日(土)午後2時からの講演で紹介します。そして講演が終わったあとで、順にブログ記事でお答えしていきます。
ご質問はまだしばらく受け付けます。この記事のコメントを書くボタンをクリックして、書き込んでください。
nankyoku-30nin.hatenablog.com高円寺で南極の氷に触りたい方は、ゆうゆう館高円寺南へお申し込みください。
電話 03-5378-8179 です。
南極観測船を民間で動かせるか
11日(水)に南極観測船「しらせ」が東京・晴海に帰港しました。
ここで、帰港の動画を見ることができます。
【放送予定】4月11日7:00〜南極観測船「しらせ」日本帰港 | NVS-ネコビデオ ビジュアル ソリューションズ-
大きな事故なく行動を終えられたようで、なによりでした。
さて、観測隊員は一足先に、シドニーから空路で帰国しています。11日に帰国したのは 「しらせ」乗組員、自衛官の方々です。 アニメ「宇宙よりも遠い場所」で、いちばん現実と違っているのは船の運行状況だと思います。民間の観測隊はお金をあつめて結成することはできても、船はムリじゃないかなあ。
意外に知られていませんが、日本から南極に行く人で、一番多いのは海上自衛隊員です。
「しらせ」の艦橋です。24時間、常に人が居るので、交代要員も必要です。もちろんエンジンにも、ご飯を作るところにも。
私の帰りみち、2017年の春に「しらせ」に乗っていた自衛隊員は、隊員・同行者の2倍以上です。
以下、個人的な見解ですが。
例えば、民間の資金をあつめて月へ行くことは、できるかもしれません。
このHAKUTO(ハクト)は、日本の民間発の月面探査チームです。民間の月探査レース「Google Lunar XPRIZE」に参加していました。が、結局、今年3月末の期限までに月へ行けたチームは世界中どこにもなかった、とのこと。
HAKUTOも「Google Lunar XPRIZE」も、民間のお金で動いているプロジェクトです。
こんなふうに、一気にお金を入れて実現してしまおう、ということであれば民間のほうが明らかにフットワークが軽くて、やりやすいこともあるのでしょうが、何年も継続する必要があるプロジェクトでは、公的機関のほうが着実に息長く実行していけるように感じます。
役所というところは、冗長で非効率な部分もありますが、組織の内部で弱いところを補完して、なんとかして一定のパフォーマンスを保っています。たとえば、その日の担当者が残念な人だから台風情報の質が落ちる、ってことはないはず。
乗組員の経験を引き継いで、南極まで安心して船を進めていく、ということでいえば、よりもいのペンギン饅頭号を民間の力で動かすのは、ちょっと難しいような気がするのですよ。
…公務員と研究機関職員とを経て、この春から民間企業に勤めるようになりました。
質問募集します:よりもい記念
TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」の関連で検索してこのブログにおいでになる人が、かなりたくさんいらっしゃいます。
録画したものを(ほろ酔い加減で)ながめて、「よく合ってる」、「これはちょっとないなあ」といったところをちょいちょい紹介してきましたが、みなさまが知りたいことと微妙にずれていることもあるでしょう。
で、せっかくなので、「これは本当?」というようなご質問を、4月18日(水)午前0時まで、受け付けます。この記事のコメントを書くボタンをクリックして、書き込んでください。
いただいた質問と答えは、まず、21日の講演のなかで紹介します。
そして、講演の後に、できる範囲でブログにてお答えしていきましょう。
TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」第十三話:氷上ソフトボールと艦上オーロラと
さて、ようやく最終回を見ることができました。
いいですねえ、氷上ソフトボール。ただ、これは海氷がしっかりしていないと危険です。夏はまずムリですし、私が前回参加した57次隊では冬も氷が安定していないので、できませんでした。
その前に私が参加した48次隊(2006年から2008年)では、ソフトボール大会が開催できました。
(これは2007年4月、第48次隊に参加したときの写真です)
ラインにはかき氷シロップじゃなくて、赤いロープを使いました。まあ、そんなにきっちり線を引かないといけないような競技でもありません。氷の上はデコボコしていて、ゴロを打てばほぼセーフになります。
かき氷といえば、昭和基地でも南極大陸でも賞味しましたが、わざわざ氷から削ったりはしなかったですね。そのへんにある雪をあつめれば、大盛りかき氷のできあがり(笑)。
日本で売っている水よりきれいだそうなので、お腹を壊したとすれば、それは食べ過ぎでしょう。
あと、当直の日に寝坊しちゃいけません。
なんとなく、ラストは艦上オーロラじゃないかな、という気はしていました。
夏隊は昭和基地滞在中はほとんど夜がないので、オーロラを見ることはできません。でも帰りにはけっこうチャンスがあります。私も「しらせ」から見ることができました。
この写真は午前1時まえに撮影したものですが、真っ暗にはなっていません。
液体の海の上に出るオーロラが新鮮でしたね。海面に映るオーロラを撮れないか、と頑張ってみましたが、いい写真は撮れなかったなあ。
”よりもい”全体、というか後半ですが、訓練から南極の風景の描写がきれいかつリアルでした。とくにオープニングとエンディングが楽しみで、録画でも早送りせずに毎回見ていました。
白夜やオーロラの絵を活かして、プラネタリウムの番組にしてくれないかなあ。最終回の女子高生たちと同じように、仰向けになってオーロラを見られたら、きっと素敵だと思います。