明け方の月と金星
1月2日の朝、月と金星が接近して見えました。コンパクトカメラでも、思ったよりちゃんと写りました。
12月から1月の昭和基地の白夜の時期でも、太陽の反対側には月が見えます。
今月末にも月と金星と木星が接近して見えるそうです。
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2019/01-topics02.html
2月1日に59次隊と60次隊の越冬交代式が行われます。その前後に空を見上げる余裕ができるといいですね。
「しらせ」が運ぶ荷物について
さて、大晦日ですが、昭和基地では真夏の沈まぬ太陽のもとで、みんな必死に仕事をしているはず。元日だけがお休みです。
でも、ここを見ると29日は風も強く、雪も降っていたようで、ブリザードになったのかも。 どうかご安全に。
さて、前回、12月27日の記事で、この円グラフをお見せしました。
3年前、「しらせ」が運んでいった物資(合計1126トン)の内訳ですが、「設営」とか、「野外」とか、わからないよね、と気づいたので補足します。
「設営」とは、医療、環境保全、車両、建築など南極観測隊の生活を支える仕事全般を指します。「観測」に対応する部門ですね。
なので、設営関係の物資は、プレハブ建築の部材、足場の材料、そしてクレーン車など大きなものがたくさん入ってきます。
南極を汚さないために必要なもの、ごみや廃水を処理するために必要な機械や消耗品も設営物資に含まれます。
「野外」の物資は、テント、寝袋、炊事道具など基地から離れたところで使うモノ。量は多くないですが、とくに夏の観測には絶対欠かせないものです。
講演すると「水は持っていかないんですか?」という質問を受けますが、基地では雪を溶かして、きれいにして飲み水にするので、持っていかなくても大丈夫。
では、みなさん良いお年を!
クリスマスに「しらせ」昭和基地に接岸
12月25日に、「しらせ」が昭和基地に接岸しました。「接岸」とは船が昭和基地のある程度近くまで行って、燃料を基地のタンクまでゴムホースで送れるようになることです。
よほどのことがなければ、隊員は昭和基地に着くことができます。でも、「しらせ」が昭和基地の近くまで行けるかどうかは、海氷の状況次第です。今回で6年連続の接岸だそうですが、その前は2012年、2013年と2年連続で接岸できませんでした。
「しらせ」の積み荷の半分以上は油です。
接岸できなかったら、燃料をタンクに詰め替えて空輸するなど必死の輸送作戦を繰り広げることになります。それでも運びきれず、越冬用の燃料不足が心配されていました(もちろん、ある程度の予備の燃料は備えてありますが)。そして、輸送で人手とヘリコプターの飛行時間を取られるので、当初予定していた観測計画も一部キャンセルされてしまいます。
今回の接岸で、燃料輸送にはめどが立ちました。まずはめでたい。
昭和基地第一便
第60次日本南極地域観測隊員が昭和基地に入りました。夏至(北半球では冬至)の12月22日に第一便が飛んだそうです。
59次隊長の薄着が目立ちます。一年余り、南極で過ごしたあとの夏は、雪かきなど日々の肉体労働もあって、暑い!と感じます。
でもオゾンホールに近く紫外線の強い極地では、半袖シャツはやめといたほうがいいですよ、ほんと。
次の隊員が到着すると、悪化するのがネット環境。59次越冬隊員30人に60次越冬隊、夏隊のメンバーが加わって、昭和基地の人口は3倍くらいになります。みなさんスマホでwi-fiにつなぐので、データ量が激増、回線速度は激遅になります。早起きして現地の6時過ぎにこのブログを更新していたものです。
私たちが次の隊を迎えたときは、ほとんど繋がらなくなりました。航海中に止まっていたスマホアプリの自動更新が一斉に始まったらしい…。このあたりは、もう改善されたかな。
南極のネット事情については、こちらに解説を書いています。
amazonの商品も第一便で運ばれます。