「面白南極料理人」第6回
30分×12本だから、第6回が終われば折返し点。
1話目は越冬生活の折り返し点、ミッドウィンターのお話でした。極夜の真ん中で、南極中で盛大に祝われます。国内からお祝いのメッセージ、寄せ書きなどをいただいているほか、南極中の基地からグリーティングカードが届きます。
ドームふじでの露天風呂に向かう、というシーンがありました。 (”向かうシーン”であって、"入るシーン"、ではない)
ミッドウィンターには昭和基地でも露天風呂が開催されましたが、室内で裸になって走っていく、ってことはないです。羽毛服を羽織って外に出て、入る直前に脱ぐ。
風呂から上がるときがたいへんで、数秒で最低限の水気を拭き取って、また防寒着を羽織って室内に駆け込みます。
「面白南極料理人」第5回
一話に3つのショートストーリー。1つはシリアス、あと2つが…というフォーマットなのかな。
今回のシリアスネタは、母親の訃報で落ち込む隊員のお話。
昭和基地でも、ドラマの舞台のドームふじでも同じで、冬のあいだは何があっても、いくらお金を積んでも帰国することはできません。
私も、越冬中に長年の友人を亡くしました。
昭和基地からは弔電を打ちました。
「長きにわたる闘病生活に、おつかれさまと申し上げたいです。
安らかにご永眠されますよう、遥か南の空からお祈りいたします。」
葬儀に参列してもらった家人は、披露されたのを聞いて涙ぐんだとのこと。
南極にもメールや電話が通じるようになり、コミュニケーションは取りやすくなりましたが、”会う”ことだけは無理。
「刑務所だって面会はできるのにねえ」と誰かが言ってましたな。
プラス6度の世界
あいかわらず寒い日が続きます。
三連休を利用して岡山に帰省していますが、こちらでも雪景色になりました。
2月11日の日中は、岡山が3度、東京は4度くらい。一方、私が昭和基地で越冬した期間、2016年2月から2017年1月の最高気温は、12月22日のプラス6.1度でした。
南半球の夏至のころですね。
南極で冬を過ごした後のプラス6度は、暑いといった感じ、半そでで作業する人も出てきますが、極地では紫外線が強いので、あまりお勧めできません。
nankyoku-30nin.hatenablog.com
時々「南極経験者は寒さに強いでしょ」と言われますが、そんなことはありません。
船に揺られて3月末に帰国するころには、ふつうの感覚になります。昨日今日のお天気だと、やっぱり寒い!ですよ。
マイナス30度の世界
寒いですねー。
2月9日の朝、北海道の陸別町ではマイナス31.8度を観測したそうです。www.rikubetsu.jp
もしかして、南極より北海道のほうが寒いんじゃないか、と記録を確認したら、私が昭和基地で越冬した期間、2016年2月から2017年1月の最低気温は、マイナス34.0度でした。きわどい。
ということで、北海道でもお湯の花火が楽しめるようです。
陸別町には行ったことがあります。
昭和基地に行く前、レーダーの操作訓練を受けました。
夕食後にカラオケスナックに行ったら、他のお客が一人もいなくて…思い出深い夜でしたな。
「面白南極料理人」第4回
いきなりシリアスになってきました。
南極でのメンタルヘルス対策、ってのはかなり重たいテーマ、なはずですが…。
第一次隊でも、隊員のメンタル不調には悩まされています。
60年以上前には「うつ病」は一般的ではなく、「神経衰弱」と呼ばれていたようです。第一次隊の隊長手記には、それに近い症状の隊員の記述があります。
少人数の閉鎖空間に居るということに加えて、一日中太陽が昇らない極夜になると、睡眠のリズムが崩れてくるのも、原因の一つだと思います。私の場合はオーロラ観測の夜勤もあって、寝付けないこともありました。
ドラマの方は、そんなに深刻にはならずに進んでいくみたいですが、フィクションにとやかく言うのは野暮ってぇもんでしょう。